国際情報交換 -国際大会開催に向けての取組みについて



国際大会開催に向けての取組みについて

――2004第5回チェンマイアジア選手権大会――
――2005第4回マカオ東アジア競技大会――
――2006第15回ドーハアジア競技大会――

国際大会の実施に向けては要請段階から始まり、大会が終了するまで数年に亘り、開催地や関係団体との種々の折衝、調整が必要であり、関係者がそのことに努力を重ねています。その取組みの一過程として、今回は2004年から2006年の主要国際大会に関して、最近の現地訪問報告をしたいと思います。特にマカオとドーハはまだソフトテニスの活動実体がなく連盟もない状況のなかで、ソフトテニス競技実施を予定しているので、今後短期のうちに、現地関係者に対し連盟の体制づくりから大会運営、審判指導、更には選手の育成までやらねばならないことが山積みであり、従来にない対応がせまられています。しかし一方でこれらの努力は我々が基本目標におく国際普及の促進に大きな役割を果たすものであり、他のソフトテニス先進国とも協力して、着実に実施推進していきたいと思います。(西村信寛記)


チェンマイ(タイランド)視察――2004年12月アジア選手権大会――
西村信寛
2004年1月23日成田空港を出発、直行便でチェンマイに向かった。
メンバーおよび訪問の主な目的は次ぎの通りであった。

メンバー
西村信寛(ASTF事務総長、JSTA副会長)
星野 博(JSTA国際委員長)
若梅明彦(JSTA女子ナショナルチームコーチ)
丹崎健一(JSTA国際委員)
目的
(1) 大会会場視察
(2) 大会要項の調整、確認
(3) 財政状況(支援)の調整、確認
(4) 開催に向けての今後の手順
(5) その他タイにおけるソフトテニス普及の課題打合わせ

チェンマイ空港ではタイランドソフトテニス連盟インタラピチャイ会長、ヴィナイ専務理事、日本語の達者な大学教授のソンマイ理事が出迎えてくれた。チェンマイはタイの北方に位置し、気候の良いリゾート地としても著名であり、特に大会の行われる12月ごろは過ごしやすい環境とのことである。到着当日一休みの後、早速大会会場に案内してもらった。既成の総合スポーツ施設で広大な敷地のなかにテニスなどの施設のほか宿泊施設やレストラン、会議場などもある。テニス施設はメインコート、サブコートのほかクラブハウスのととのった立派な施設で、コート面がハードであるほかは、会場として申し分ないものと思われた。
その上タイ連盟としては選手の宿泊をこの施設の宿泊所ではなく、我々も泊まった行き届いたホテルにする配慮もするそうである。
2日目には我々の直接の窓口役を務めてくれているアピワンさんも到着して、午後から大会要項のことなど種々の打合わせを行った。アピワンさんは車で2-3時間の距離にある隣のチェンライでちょうど行われていたソフトテニスの全国大会から日帰りでかけつけてくれたのであった。
タイランド連盟は第3回アジア選手権大会、第13回アジア競技競技大会をはじめ国際大会の開催経験も豊富であり、審判や大会運営にはまず問題ないと考えているが、課題は経費である。日本や韓国、中華台北がどこまで支援し、スポンサーがどこまで獲得できるかによって大会の状況も変わってくる。そのため収支予算のチェックも行い、出来る限り簡素な運営を図り、日程の短縮など大会要項の調整も行った。しかしそれでも支援額について最終的な合意にはならず、残念ながら結論を持ち越すことになってしまい、今後更に調整が必要になった。タイランド連盟は東南アジアでは最も体制がしっかりしており、これまでも数々の国際大会を開催してきたが、今回もインタラピチャイ会長以下幹部は熱心に開催準備に取り組んでいることに感謝し、これからも出来る限りの支援をしていければと考えている。以下に同行した若梅コーチの会場視察報告を合わせ記載する。
なお今回の直接目的ではないが、訪問に際して事前にタイのスポーツ誌からソフトテニスに関する文書によるインタビューがあり、回答を行った。国際普及の現状に関し、参考になればと思い、これも報告させていただきたいと思う。

タイ、チェンマイ大会会場視察報告
若梅明彦記

コートは全部で12面あり、センターコートが1面、11面がセンターコートを背にして右側に5面(手前から1-5)、その奥に練習板、左側に6面(6-11)であった。両コートの間はフェンスで仕切られており、11面全体もフェンスで囲まれている。11面の周りには観客席はなく、また設けられない状況であった。
センターコートは四方に観客席が設けられているが、椅子が設置されているのはおおよそ120程度で(屋根はここのみ設置)、後はコンクリートで段差をつけた席になっていた。
コートのフェースはコンクリートで、コート内はグリーンに塗られており、アウトコートはエンジに塗られていた。センターコートも同様である。照明は第4・5コートの周りに4基、第8・9コートの間に2基、第11コート奥に2基設置されていた。
センターコートの照明は4基、観客席の後ろ(四方)に設置されていた。コートを含め、敷地はかなり広く、アップ等を行う場所については支障はないと感じた。


第4回東アジア競技大会(マカオ・チャイナ)活動報告
星野 博

(1)第4回東アジア競技大会(マカオ・チャイナ)で「ソフトテニス競技」が正式種目として実施される事になりMEAGOC(マカオ東アジア競技大会組織委員会)との協議と、大会運営・審判指導・選手養成等の打合せの為、2月27日から3月1日まで、今井史郎理事と訪問した。
東アジア競技大会は第1回上海大会(1993)・第2回釜山大会(1997)・第3回大阪大会(2001)にての開催で「ソフトテニス競技」は第1回大会は記念実施であったが、第2回大会から3大会連続の正式種目での開催となり、日本は前回大阪大会で女子水上選手の3冠を含む6種別中5種別を制覇した大会である。

「第1日」2月27日(金)
成田空港発JL731便(9:15)にて香港国際空港へ14:00着
香港国際空港よりフェリー(17:20)にてマカオへ18:00着
MEAGOC(マカオ東アジア競技大会組織委員会)の準備した、KINGSWAY HOTELへ

「第2日」2月28日(土)
9:00よりMEAGOC(マカオ東アジア競技大会組織委員会)会議室にて打合せ。

1.実施競技内容の確認
団体戦男女・個人戦シングルス男女・ダブルス男女の計6種別

2.参加国数・人数の確認
7ヶ国・地域(韓国・中華台北・日本・モンゴル・中国・香港マカオ・マカオチャイナ)が参加予定。
団長1・監督2・選手12の計15名  総計105名を予定。

3.東アジア競技大会テクニカル・ハンドブックの内容について
大会日程:テニス・ソフトテニスの競技会場は9面を予定している。
組織委員会では当初平行して行う計画のようだが、ソフトテニスは応援等大きな声援があるので、無理と思うと提言。
午前中「ソフトテニス」、午後「テニス」ではどうかと質問があり、不可。
テニス競技のハンドブックは、案が出来つつある状態である。
ソフトテニスの競技日程は4日間を今回提案したが、テニス競技との調整を早く決めるよう依頼。

マカオではソフトテニスを実施したことが無く、又、ソフトテニス連盟が無い為、
マカオテニス協会から役員が推薦され組織委員会と連携して準備にあたっている。

10:00よりソフトテニスクリニック開校式(約100名参加)

マカオ東アジア競技大会組織委員会 会長      MANUEL SILVERIO
マカオテニス協会             会長      CHEONG VAI KEI
マカオ体育協会              副局長     JOSE TAVARES 
マカオ東アジア競技大会組織委員会 理事       WALLIS O LAM
     〃                 競技担当    HO WENG HONG

13:00より18:00
ソフトテニス競技の基本ビデオを見ながら説明。
体育館にて技術指導。

「第3日」2月29日(日)
10:00より17:30
審判方法の説明、審判実技講習。

参加者には全員、参加証明証が準備され交付された。

「第4日」3月1日(月)
11:30 ホテル発 フェリーにて香港
15:10 香港国際空港発 19:30 成田空港着

【感想】
第4回東アジア競技大会のマカオ開催に際し、ソフトテニス競技を採用してくれたことに対し、MANUEL SILVERIO組織委員会会長にお礼を伝える。
テクニカル・ハンドブックの内容については今後、組織委員会とアジア連盟西村事務総長・日本連盟(前回開催国)と連絡をとり決定したいとの要望があり、テニス競技との日程調整が必要と思われる。
大会運営・審判員の養成・コーチ・選手育成について日本の協力をお願いしたいとのことで今後密に連絡をとり実施することを約束。
大会運営については広島世界選手権大会にて使用した採点票作成・記録等PC対応ソフトを提供することを返答。スコアボード等についてもテニス競技と共用できる部分は使用。
審判員養成は時間的にどこまで可能か疑問が残るが、取り組む姿勢は大変評価できる。
費用面は基本的にマカオの負担ではあるが、今後今井氏等を何回か派遣し養成する必要がある。
コーチ・選手の養成については、早急に男女コーチを決定しソフトテニスの練習方法を勉強する必要があるので、3月下旬から白子で開催される日体大桜友会強化研修会に参加できるかどうかを連絡する旨伝達。

「予定」参加予定2名
3月31日 来日
4月 1日~3日 日体大桜友会研修大会(高校生・中学生約600名参加)(白子町)
4月 4日    全日本女子選抜大会見学(東京体育館)
4月 5日 帰国

今回、香港より内田博氏が以前香港の代表選手1名とマカオに来て協力してくれた。
次回第5回東アジア競技大会は香港で開催が予定されているため、マカオテニス協会会長から香港テニス協会経由で「ソフトテニス」を採用するよう協力を要請。
国際連盟・アジア連盟からの対応も今後重要課題である。
香港ソフトテニス連盟が香港NOCへの加盟が出来ないと「ソフトテニス競技」の実施は難しいと思われる。


(2)
前回の訪問でマカオテニス協会・組織委員会から要請された指導者の日本派遣について、
Kuan pio Ivan・Wai Wai Chung・Cheong Meng・Ng Hon Manの4名が実技研修のため来日。

3月31日(水)20:00  成田空港到着。


日体大桜友会研修大会(高校生・中学生約600名参加)(白子町)
4月 1日(木)~3日(土) 9:00~20:00

この研修会は第6回目を向かえ日体大ソフトテニス部OBの勤務している中学生・高校生が、日体大現役学生男女約50名との合同研修会で西田豊明部長・監督も毎年参加し、各クラスに別れて合同練習・試合・ミーティングが行われた。
昨年の全日本社会人選手権大会・成年男子優勝の京都・石岡重光選手はじめ、広島世界選手権大会男子日本代表浅川陽介選手らも参加し50面のテニスコートで展開された。
マカオから参加した4名は「テニス」のプレイヤーで、ビデオを持ち込み、佐藤健司日体大女子コーチ・戸田正明コーチらから特にバックハンドストロークの指導を熱心に受けていた。
東京・青稜中学校の福島教聡先生に通訳していただき、指導者への質問や意見交換、中学生とも会話をかわしながら楽しくプレーしていた。

第49回全日本女子選抜ソフトテニス大会見学(東京体育館)
4月 4日(日)    10:00~18:00
ダブルスとシングルスの行われた女子選抜大会を熱心に見学、参加選手の素晴らしいプレーや観衆の多さに改めて「ソフトテニス」に興味を示し、選手との会話や監督との意見交換も行い精力的にこなしていた。

4月 5日(月) 帰国
以上



ドーハ(カタール)視察・打合わせ ――2006年12月 アジア競技大会――
             丹崎健一
視察期間  2004年3月26日―28日
場所     ドーハ(カタール) DAGOC(ドーハ組織委員会)・ソフトテニス会場
視察メンバー 西村信寛(ASTF事務総長、JSTA副会長)
         星野 博(JSTA国際委員長)
         丹崎健一(JSTA国際委員)
主な視察目的 
(1)アジア競技大会ソフトテニス実施について関係者顔合わせ
(2)大会要項調整(日程、実施種別、人数など)
(3)現地大会役員養成(役員、審判など)
(4)会場視察
(6)その他

今回訪問したドーハは、カタールの首都で、カタールは過去、日本にはあまり馴染みのない国であったが、1995年のサッカーワールドカップ予選最終戦対イラク戦で、タイムアップ寸前に同点にされ、初出場を逃した「ドーハの悲劇」で一躍有名となった都市である。
カタールはサウジアラビアの南東に位置し、中東アラブ諸国の人口70万人の小国であるが、石油産油国のため、豊かで、大変美しい国で、生活水準もかなり高いと言われている。
次回のアジア競技大会がこの地で開催され、ソフトテニスが初めて競技されることもあり、DAGOC(ドーハ組織委員会)からの招聘を受け、今後のスケジュールの打ち合わせ、会場視察、ソフトテニスの普及等を目的に、筆者、西村アジアソフトテニス連盟事務総長、星野国際委員長の3名で現地を訪れることとなった。日本、カタールは直行便がないため、マニラで乗り継ぎをし、早朝に日本を出発し、現地着夜の8時過ぎで(時差6時間、日本時間深夜2時)17時間の長旅であった。
到着後、翌日には早速DAGOCのオフィスで、朝10時からミーティングが始まり、先方は責任者のアルジャビール氏以下15名余の関係者が集まり、実施種目の検討から、カタールの選手育成まで冒頭から熱の入ったミーティングとなった。現地関係者は前回の釜山大会の資料をもとに、参加国数や参加数、競技日程、審判、ボールボーイ、得点ボードに至るまで運営や競技のかなりの細部にまで関心を持ち、会議は質問や意見で大変活発であった。
我々は、ソフトテニスは現地では全く知られていないスポーツのため、まずはその特徴や面白さを説明し、理解させることに一番気を使ったが、カタール人は大変積極的で、地元の熱意をひしひしと感じる会議となった。これを機に、地元としてはソフトテニス連盟を設立し、この地元大会には是非参加したいとの希望があり、今年12月のタイ、チェンマイで開催されるアジア選手権にも、できれば選手を派遣したいとの意向も合わせて表明された。又そのために、是非日本連盟にソフトテニスの選手育成・指導をお願いしたい旨の申し入れがあり、12月のアジア選手権のカタール監督をも引き受けて欲しいとの依頼もあった。そのための費用は全く惜しまないので、早ければ6月、また可能であれば10~12月の3ヶ月間位にわたる、コーチ派遣の依頼があり、西村日連副会長は、出来る限り要望に沿うよう協力する旨の返答をされた。今回はまだ実大会から2年以上も前という時期でもあるため、その他会議内容は、実施種目や競技日程についても最終結論は時期早尚ということで、今後引き続き検討するということになった。
ミーティングに引き続き、ソフトテニスの会場となるカリファ国際テニス、スカッシュ複合施設の視察をしたが、会場の広さ、設備の充実さにまず驚かされた。この会場は、毎年プロテニスITPトナーナメント「カタールモービルオープン」が開催されている歴史と伝統のあるテニス場とのことである。今年は3月初めには女子プロWTPトーナメント「カタールトータルオープン2004」が開催され、日本のトッププロ杉山愛選手も出場した程のビッグトーナメントであったようだ。施設・設備は複合施設であるため、レストランや1,000人を収容できるパーティーができる宴会場が併設されており、またプールまで完備されている非常に豪華さを感じるすばらしい施設であった。テニスコートは20面余あり、センターコートは観客4,000人を収容でき、新たに2,000人が収容できるコートを2面新設する予定とのことであった。選手控え室、役員、関係者ルーム、ロイヤルボックス、宿泊施設等々日本のテニス会場では見られない程、充実した施設を持つ本会場は、選手、役員にとって快適な競技ができる施設となるであろう。コート周囲も芝生や緑の木々で囲まれた申し分ない環境であるが、唯一気になる点は、コートサーフェースが全て硬式用のハードコートとなっていることで、選手にとっては対戦相手以上に越えなければならないハードルとなるであろう。
大会までまだ2年余あるが、我々日本としては、今後日本が勝利できるようあらゆる点を研究してゆくとともに、開催国カタールでのソフトテニス普及に惜しみない協力をすることが重要だと感じた。
ソフトテニスの国際化を目指し、今回2日間という短い滞在であったが、我々ソフトテニス発祥国としては、もっともっと地道な普及、啓蒙活動をしてゆかねばならないと痛感した旅であった。




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